2012年01月14日

今年、最初に読んだ本『最後の色街・飛田』

最近、FBが主体になっているので、ブログするのもすっかりご無沙汰、すいません。さて、久々に本の話でも。

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最近、書店のひら台に山積みになっている(大阪だけか?)ので、ついつい買ってみた。かねてから大阪市の歴史などにも興味があったし、飛田についても非常に興味のある街だったから。

若い時・・・10代後半から20代前半の時ぐらいに、黒岩重吾の『飛田ホテル』や『飛田残月』、『西成山王ホテル』などを読んで、強い印象を持っていたからでもある。それ以上に忘れられないのが、自分がこの街と出くわした時のことだ。

天王寺に住んでいたころ、土曜だったか日曜だったかの昼過ぎ、新世界のジャンジャン横丁で酒を飲んだ後、何気なくブラブラ歩くうち、この街に迷い込んでしまい、不思議な雰囲気にショックを受けた。

目的意識を持って勇んで行ったとしたら、決してあんなショックは受けないのだろうけど、ボーーーーーッと考え事をしながら歩いていて、いきなりオバチャンに声かけられてハッと気付いた時は、もう頭がパニック状態になってしばらく茫然と立っていたことを、今でも鮮明に覚えている。

ま、正直に言って私も聖人君子ではないが・・・、あの出会いのショックさからか、以後、そこには二度と足を踏み入れていない。

肝心の本のことに戻ろう。著者はフリーライターの井上理津子さん。筑摩書房刊。売れているのだろう、発売以来、2カ月で5刷。

いやはや、これは労作である。飛田について、かなり突っ込んだ本が書けたこと自体、感心する。取材に10年以上要したようだが、「いろいろヤバかったんとちゃうの?」と思ってしまう。

実際、井上さんは暴力団の事務所にアポなしで訪問して話を聞いたりと、私が知り合いなら「そんな危ないこと、やめとけよ!」と絶対、言っていただろう。

それぐらいして書き上げた一種のルポ。面白く読んだ。読んだのだが、やっぱりまだまだ含みがあるというか、書けない部分もいろいろあったのだろうなぁ、というのが時々、行間からにじみ出ているような気がする。面白いだけに、そこが一層、気になるのだ。

そう思うと、先に私は「飛田について、かなり突っ込んだ本」と言ったけれど、どこまで突っ込んでいるのか、その深さが気にもなる。

現実以上に、飛田という街をかいかぶる必要はないけれど、まだまだその底の見えない深さを、この街は今でも感じさせているように思うのだ。

大阪、関西の人以外は馴染みのないところかもしれないけれど、もし面白い本が読みたいとお考えなら、私は今年早々の第1冊目として、この本を自信を持っておススメします。